地震への対策、まずはココから!
防災・減災の基本であり、
今すぐに始められることは『家具・家電類の固定』です。
また、割れたガラス類で怪我をしないための対策も大切です。
イラストのような部屋では、
具体的にどんな対策をしたら良いでしょうか?
動画で答え合わせができますので
ぜひシミュレーションしてみてください。
合言葉は モノが 落ちない・割れない・倒れない 部屋!
飼い主さんのための防災・減災
飼い主の皆さん! ウチのコのための災害対策をしていますか?
ヒトと同じように、非常時の食べ物やお水、お薬などは、日頃から切らさないように用意しておきたいものです。
ですが、対策はグッズを揃えるだけではありません。
どんな状況も一緒に乗り切れるように <モノ>と<コト> の両面を備えることが大事です。
我が家の安全、大丈夫?
災害時に一番大切なのは、まず何をおいても「自分(=飼い主)が助かる」ということです。
そして、ウチのコたちは、飼い主が連れ出さない限り常に家の中にいるわけですから、
ウチのコを守るためにも、まずは自宅が安全でなければなりません。
地震に備えて、家全体の耐震性を高めることが難しい場合には、たとえば、
・いちばん長い時間を過ごすリビングだけを補強する
・就寝中の地震に備えて寝室だけを補強する
・耐震ベッド、シェルターベッド等といわれるベッドを導入する
こんなふうに部分的に補強したり、生存空間を確保したりするという方法があります。
それから、怪我をせず、安全に避難するためには
・家具や家電を固定する
・収納棚の開き扉に留め具を付ける
・窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
こうした小さな取り組みが効果を発揮します。
モノが <落ちない><割れない><倒れない> 部屋にする!
少しでも我が家の安全性が増すように、できることから取り組みましょう。
ウチのコたちの居場所は、大丈夫?
飼い主が連れ出さない限り、常に家の中にいるウチのコたち。
普段くつろぐ場所はもちろん、お留守番で誰も助けてあげられない時の安全も考える必要があります。
まずは地震に備えて
『家具・家電類の固定』・『収納棚の扉固定』・『ガラスの飛散防止』、
さらに『感震ブレーカー設置』などの対策が有効です。
そのうえで、危険なものからできるだけ離れたところに居場所を作るとよいでしょう。
また、特に猫さんの場合には
・普段から隠れ場所を把握しておき、その部分や部屋を補強する
・バルコニーから飛び降りないようにネットなどで覆っておく
といった対策もよいと思います。
屋外飼育の場合には、
・崖のそばや塀のそば、屋根瓦が落ちたり窓ガラスが飛び散ったりする場所から離す
・物置やガスボンベ・給湯タンクなどをきちんと固定する
・留守番させるなら、浸水しても溺れない場所に係留する
こうした工夫が必要です。
特に留守番時の居場所については、お住まいの立地条件により考えられる災害を想定し
・古い建物で倒壊の可能性があるならば、上階
・津波や豪雨で浸水する可能性があるならば、上階
・地震や豪雨で土砂崩れが起きる可能性があるならば、崖と反対側かつ上階
など、できる限り安全を確保でき、“ 少しでも助かる確率が上がる ” ように考えてあげる必要があります。
自治体で発行しているハザードマップなどを参考に、わが家へのリスクをしっかり把握しておきましょう。
防災グッズ・備蓄品について
災害時には、ペットのための支援はどうしても後回しになってしまいます。
加えて、かかりつけの動物病院や近所のお店も被災してしまうかもしれません。
まずは「命にかかわるもの」「代替品がないもの」を最優先にして揃えましょう。
(例)
<優先順位・1>
薬、ごはん(特に療法食)、水
*薬は普段から余裕をもって通院し、常に手持ちの在庫を切らさないように!
*ごはんは最低5日分、特に療法食の場合は少なくとも1~2週間分くらいは確保を!
*1日に飲む水の量は、体重1kg あたり50ml くらい(犬・猫の場合)を目安に最低5日分!
<優先順位・2>
避難時や避難先で必要になる日用品類
*ケージやキャリーバッグには、普段から嫌がらず入れるように!
*首輪やハーネスとリードは、ぜひ予備も!
*自分で歩くコには、怪我やトラブル予防で 靴と口輪を!
*ビニール袋やペットシーツ、消臭スプレーなどトイレ用品も忘れずに!
*ワクチン接種の状況、飲み薬の名前や1日の量をメモ書きでよいので控えておこう!
*ペットと飼い主の情報などを書いたメモや一緒に撮った写真をぜひバッグの中へ!
*多用途に使えるガムテープ、カッター、油性ペンも!
<優先順位・3>
その他用意しておきたいもの、あると助かるもの
*おもちゃ
*洗濯ネット
*タオルやティッシュ
*ビニールシート
*使い捨てカイロや瞬間保冷剤
特に場所を選ばないものに関しては 「外の物置に保管する」「車に積んでおく」といった方法もあります。
自宅の環境や実際の災害の状況はそれぞれですので、
避難しなければならないのか、自宅に留まること(いわゆる在宅避難)ができるのかによって
用意するものは変わってきますし
なによりも、本当に必要なものはペットごとに違うはずです。
ぜひ普段から ‟ 我が家にとって ”、” うちのコにとって ” 必要な備えを進めてくださいね。
所有者明示をしよう
何が起きるかわからないのが災害。
普段ならノンビリしているコも、びっくりして外に飛び出し、あっという間にどこかへ行ってしまうかもしれません。
無事に保護され、すぐに飼い主さんのところに戻ってこられるように、また、
同行避難した先の避難所で スムーズに受け入れてもらうためにも、
鑑札や狂犬病予防注射済票(犬さんのみ)、迷子札等を装着しておきましょう。
*鑑札と狂犬病予防注射済票は装着が義務付けられています(狂犬病予防法第4条第3項・第5条第3項)
また、迷子札のように外れてなくなってしまう心配がないマイクロチップは
「最後の命綱」ともいえる、とてもありがたいアイテム。
特に猫さんの場合には公的な登録制度がありませんので、自身が飼い主である証明にもなる
マイクロチップを入れておくことをお勧めします。
自治体によっては装着について助成制度を設けている場合がありますので
事前に調べてみることを合わせてお勧めします。
健康管理も大切
災害が起きたとき、動物たちにも大きなストレスがかかります。
不安や寂しさから、食欲不振や嘔吐・下痢といった体調不良を起こしやすくなります。
また、普段よりも不衛生な環境になるため、ひとたび体調を崩せば重症化する危険性も高まります。
日頃から健康状態を把握し、状態の良いときに、狂犬病(犬のみ)や混合ワクチンなどを接種しておきましょう。
病気やアレルギーのために、「接種したくても、できない」というコもいます。
健康なコが積極的に接種しておくことは、感染症の蔓延を防ぐことにつながります。
避難所での生活を考えたとき、「清潔(に見えるかどうか?)」ということも、とても大事な要素になります。
日頃から定期的にシャンプーやトリミングを行い、キレイにしていてあげましょう。
また、ノミ、ダニ、フィラリア等の寄生虫対策も大切です。
特に近年は、マダニによる人への感染症の報告が、西日本を中心に全国へ広がってきています。
( FSTS = 重症熱性血小板減少症候群 )
滅多にないこととはいえ、ウィルスを持ったマダニに噛まれることで、人もペットも感染します。
ペットから飼い主に感染した症例も報告されています(ペットも人も発症)。
過去の災害では、しばらく経ったころに
放浪していたペットたちを保護していた施設で出産ラッシュが始まってしまったということがありました。
ただでさえ、飼い主が見つからずに新たな引き取り手を探さなければならない状況で
保護した頭数以上に増えてしまうのは、あまりにも大きな負担となります。
繁殖が目的でない場合には、手術を受けることについてもしっかりと検討しておきたいところです。
しつけとマナー
災害への特別な備えを気にするよりも、
まず最初に考えておきたいのが「日頃の」しつけとマナー です。
糞尿の始末や吠え声など、近所迷惑にならないように十分に配慮しましょう。
散歩中の挨拶はもちろんのこと、普段から自治会の行事に参加するなど、
住民として積極的に地域の活動に協力することも大切なことと思います。
避難所では、ケージやクレートに入っての生活が予想されます。
普段から入り慣れておくことは、ウチのコたちのストレス軽減につながります。
また、ストレスから食欲が落ちることも考えられますので
日頃から、好き嫌いせずに色々なものを食べられるようにしておくことも有効です。
もしものとき、ペットたちが単なる「やっかいもの」になるか
ともにピンチを乗り越え、時に癒しの存在ともなり得る
「地域の一員」として受け入れてもらえるかどうかは
普段の飼い主さんの行動次第なのかもしれません。
飼い主ネットワーク
いつ起きるかわからない災害。
そして何が起こるかわからないのが災害のこわいところです。
ウチのコと一緒にいるときに災害が発生するとは限りません。
もし外出中だったら、交通網が寸断されて、帰宅できなくなるかもしれません。
そんな時、どうしたら家で待っているウチのコを助け出すことができますか?
せっかく備蓄をしていたけれど、部屋がつぶれて取り出せなくなってしまったら。
避難所にヒト用の物資は届いても、ペット用のものはすぐに入手できないかもしれません。
そんな時、どうしたらウチのコの空腹を満たすことができますか?
普段からご近所の飼い主さんどうしのつながりをつくっておきましょう。
もしもの時にお互いの家の状況を確認し合ったり、
被災後の生活を助け合ったりできる仲間がいるということは、それだけで心強いものです。
また、SNSなどを通じて日頃から遠方ともつながっておき、協力関係を築いておくのも
とても良いことといえます。